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スコア+パート譜セット
【編成】
弦楽オーケストラ(1st Violin, 2nd Violin, 3rd Violin, Viola, Violoncello, 1st Double Bass, 2nd Double Bass)*
*オプションのパート譜を使って以下の楽器代用が可能。
Viola→3rd Violin
1st Double Bass→2nd Violoncello
【難易度】2.初級〜中級者向き
【作品名】Route along the beach
【作曲】
小室昌広 (Masahiro Komuro)
【演奏時間】約2分30秒
本作品は、尚美ミュージックカレッジ専門学校の弦楽合奏授業の教材として制作されました。編成上の特徴として、コントラバスが2パートに分かれているのは、実際に授業に参加していた学生たちの構成を反映したものです。教材としての実用性を重視しつつ、合奏ならではの音楽的な広がりを目指しています。
演奏面での主眼は、短い音価を連続して刻む「刻み(きざみ)」のアンサンブルを揃えることによるボウイングテクニックの習得です。この「刻み」は細かい弓の動きが求められるため、演奏者全体の呼吸を揃える必要があり、合奏力を高める訓練に適しています。さらに、♭が多い調性(変ハ長調など)や、ボウイングによるポリリズムの認識、16ビートのキープとそれに乗せた滑らかなフレーズの構築といった、弦楽奏者としての基礎力と応用力の両方を育む設計となっています。
加えて、エンディングに登場する複雑なリズムの正確な再現を目指すために、全体を通して16ビートを身体で感じ取り、体得することも大きな学習目的のひとつです。
楽曲のイメージとしては、わたせせいぞう氏や鈴木英人氏のイラストを思わせるような、渚沿いの道をドライブする情景を描こうと試みました。弦楽器の刻む16ビートは、まるでエンジンの鼓動や波の音のようにも感じられるかもしれません。ハーモニーにはテンションコードを多用し、どこか懐かしさを含んだシティ・ポップ的な空気感を目指しています。
音楽の展開は、まるで映像のように情景が浮かび上がるように構成されています。
序奏では、遠くから車が海辺に向かって近づいてくる様子を描写。やがて16ビートがいったん収まり、静かな海辺の風景へと移行します。再び車が走り出し、爽快なドライブの高揚感とともにエンジン音が響き渡り、やがて車は遠ざかっていきます。曲は、その余韻として残る静かな海辺の空気とともに締めくくられます。
**構造面では前奏と後奏を持つ三部形式(A-B-A)**を採用。中間部(変ハ長調)は主部の動機を組み替えて構成され、フレーズ単位の小節数を意図的に崩すことで、再現部の入りを曖昧にする仕掛けが施されています。再現部ではフレーズの構成自体が変化し、安定しかけたところで今度はハーモニーに変化を加え、音楽を新たに展開。後奏のクライマックスでは、序奏の和声進行を擬似的に再現することで、曲全体に有機的なまとまりを持たせています。
また、本作品は、弦楽合奏の授業用作品を連作として制作する中で、各曲に「四季のイメージ」を持たせることを試みたシリーズのひとつであり、本作は“夏”の情景を描いた一曲となっています。
さらに、1番コントラバスとヴィオラのパートには、チェロおよびヴァイオリンで代替演奏が可能なパート譜を同梱。さまざまな編成に対応できるよう配慮されており、教育現場や発表会、自由な合奏の場でも柔軟に活用いただけます。
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