スコア+パート譜セット
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【編成】
コントラバスソロと
弦楽四重奏(Solo Double Bass, 1st Violin, 2nd Violin, Viola, Cello)
【難易度】4.中級〜上級者向き
【原曲】Suite for Viol / Louis de Caix d'Hervelois
【編曲】
小室昌広 (Masahiro Komuro)
【演奏時間】約15分
フランス・バロックの響きを現代に──本作は、コントラバスソロと弦楽四重奏のために編曲されたデルベロワの舞曲組曲です。
コントラバスはソロチューニング(調弦)で演奏され、パート譜はすべてソロチューニング用に移調済みです。スコアでは実音表記(※コントラバスのため、実際にはオクターヴ下で鳴ります)となっており、演奏される最高音は開放弦Gの12度上のD音です。音域としては第4ポジション付近を中心に、ハイポジション手前の柔らかい高音域から、開放弦Dあたりの低音までがバランスよく使用されており、コントラバスの美しい中低音が存分に活かされるアレンジです。
本編曲はもともと、私が過去に手がけたコントラバスとピアノのための編曲版(IMSLPに収録)を基にしています。このピアノ版は、かつてチェロとピアノのために作られたロマンチックな伴奏付きの楽譜を、コントラバスのソロチューニングで演奏できるよう移調して欲しいという依頼から始まりました。しかしそのロマン的な伴奏がバロック舞曲の様式とはかけ離れていたため、依頼者の了承を得た上で、私は舞曲本来のスタイルに近づける新たな伴奏を構築しました。
今回の弦楽四重奏版を制作するにあたり、ピアノ伴奏版からさらに和声や構成に若干の修正を加えています。ソロパートは原曲に忠実に保ちつつ、コントラバスでも演奏可能なように必要最小限の調整を施したのみです。
伴奏部分については、バロック様式を意識しながらも自由な創作を加えており、ソロ旋律との調和を保ちつつ、ある程度の作り込みを施しています。かつてこの編曲について「恐竜の化石に肉付けするような作業」と述べた記憶があります。デルベロワの原意とは異なるかもしれませんが、旋律が持つファンタジー性を私なりに汲み取り、音楽として再構築しました。
楽曲全体にわたって一貫性を持たせるため、2つのプレリュードに登場するモチーフを他の楽章にも用いています。
ひとつは、冒頭にチェロ、次いでコントラバスソロに登場する、6度音→半音下降→5度→主音と進行する4音モチーフ。私はこれを「嘆きの音型」と感じ、この編曲全体に散りばめました。
もうひとつは第2プレリュードの和声進行(トニック→ドミナント→トニック復帰前にディミニッシュを挿入)で、これは旋律処理から生まれた工夫ですが、メヌエットなど他の楽章の伴奏にも応用しています。
本作品は、ヴィオールのための舞曲組曲から数曲を抜粋して構成されており、バロック音楽の伝統的な美しさと、コントラバスの表現力豊かな響きを組み合わせた独自の作品となっています。
また、全編ソロパートは単音で書かれているため、チェロや低音の木管楽器(ファゴット、バリトンサックスなど)による演奏も可能です。
コントラバスの深い音色と技巧が映える、まさに“新しい古典”とも呼べる一曲。レパートリーを広げたい方や、アンサンブルの新たな挑戦としてもおすすめの作品です。
キーワード:コントラバスアンサンブル コントラバス コントラバス 楽譜 コンバス 弦バス